印西市O様より、明治時代から建つ【蔵】の修繕塗装工事をご依頼頂きました。
雰囲気有る佇まい、当時のまま現存する蔵を修復させて頂きます事に感謝いたします。
【蔵】の特徴
分厚い土壁のおかげで湿気がある程度一定に保たれ、夏は涼しく冬は暖かくと気温を調節することもでき
る。蔵は日本の気候に合うよに造られた優秀な建造物なのです。更に、木の骨組みを隠すように土を塗り固める為、防火性にも優れている。
【蔵】は何のためにありますか?
蔵の起源は定かではないようで、鉄砲の伝来により城郭にも防弾・防火の為に漆喰の壁が用いられ、江戸時代の天守などは土蔵造りとなっておりました。
それ以降は火災に備えてあるいは盗難防止の為に町中の家でも蔵が盛んに作られ、ある意味裕福さの象徴として蔵は倉庫や店舗などに用いられてきたようです。
O様の蔵は外壁にトタンが仕様されており、正面の観音扉は非常に重く土蔵造りになっておりました。
瓦は何年か前の、千葉台風時の被害により修復したそうです。
今回は、経年錆びた外壁の塗装修復と土台のモルタル部の補正塗装を弊社にて修復させて頂く事になりました。
破風・雨樋・観音扉・土台部モルタルは艶消し黒で、外壁は艶を抑え3分艶仕様での施工で仕上げさせて頂きました。
ご近所様のご評判も良く、きれいになったと喜んで頂けて大変光栄に思います。
歴史ある建造物の修復工事に携われた事、誇りに思います。
きれいになりまして、圧倒的な存在感が増したと思います!!
この度は、大変お世話になりました!
今後とも宜しくお願い申し上げます。
有難うございました。
施工前外観全景


























仮設足場設置・ケレン・高圧洗浄














































外壁装飾物・加工及びシーリング施工
【折釘】(おりくぎ)とよぶそうです。
「つぶ」と呼ばれる、お椀を伏せたような盛り上がりの中心に出ているL型の金物が折釘だそうです。
土蔵は火災時の延焼防止の為、内部の木造架溝は壁と屋根に塗られた暑い土で覆われていますが、折釘は柱に打たれて壁の外まで出た唯一の金物です。従ってこの金物の周囲は入念に漆喰と麻で根巻され、壁から出るところも漆喰で盛り上げた「つぶ」で固められています。
この折釘には、窓や下屋の庇(ひさし)に掛けたり、雨樋の支持金物や置屋根の煽り止め金物、修理の時の足場を支えるなどの役目があります。
折釘を柱に打つ打ち方には、柱の正面に釘のように打ち込む方式があります。また、折釘の寸法は様々で比較的古い土蔵のものは小振りで部材も正確ではなく、厚い板状のものが多くみられるようです。
調べてみると色々な事が解って、大変勉強になります。当時の職人さんにお会いして色々ご質問してみたいと思いました。全て意味があるのですね!
明治・大正・昭和・平成・令和と時代を積み重ね、今自分たちの手でその伝統ある建造物を手掛けさえて頂いていることに、感慨深いものを感じました。
















破風・軒樋部・エポキシ系黒錆止め>艶消し黒中塗り>艶消し上塗り




































































外壁・エポキシ系錆止め>3分艶中塗り>3分艶上塗り




























































縦樋・観音扉艶消し黒塗装






























土台部モルタル補正工事






































































土台部黒艶消し塗装




























































施工後外観全景








































きれいになりました。有難うございました。